Pocket

オキシトシンとセロトニンの深い関わり

オキシトシンセロトニンの関わりについて、脳生理学の有田秀穂博士の研究結果をご紹介しました。

→ オキシトシンとセロトニンのはたらき

この有田氏の研究を、もう少しまとめてみることにしましょう。

オキシトシン受容体は、脳の前頭前野と扁桃体という場所にあります。

これは、心に関係した領域なので、オキシトシンは心の状態に影響を及ぼす脳内物質といえます。

また、セロトニン神経の神経細胞にオキシトシンの受容体があります。

このため、オキシトシンが分泌されてオキシトシン受容体に届くと、同時にセロトニン神経が活性化されるのです。

セロトニンを活性化させるためには、オキシトシンの分泌を盛んにするような行動をとるとよいわけです。

セロトニンが活性化されると、脳の状態を安定させ、心の平安や平常心を作り出します。

また、自律神経にはたらきかけて、痛みをやわらげる効果もあります。

オキシトシンとグルーミング

オキシトシンを分泌させるためには、母性愛や男女の愛情の交流だけでなく、仲間と飲食を共にしながら話すことも有効です。

このような行為を、グルーミングといいます。

これは、高級レストランなどよりも、狭くてカウンターで肩を寄せ合うような赤ちょうちんや居酒屋の方が、グルーミング効果が高いといえます。

こうしたグルーミングによって、最初にオキシトシンが分泌され、信頼感や幸福感が高まるのです。

そして、セロトニンも活性化されるので、気分の安定にもつながるわけです。

オキシトシンと現代の社会環境

現代生活は、オキシトシンの分泌が少なくなる環境が増えつつあります。

IT化が進み、パソコンやスマホ、ゲームなどが普及するにつれ、人と人との直接的なやり取りが極端に少なくなったことが、原因として挙げられます。

仕事やプライベートでも、人と直接会って話すよりも、パソコンや画面に向かっての作業やコミュニケーションが増えているのではないでしょうか。

また、恋愛もお互いに会うことなく、ネットを通してのつき合いもできるようになりました。

そうなると、言葉や論理だけのコミュニケーションになりがちで、そこに感情のニュアンスが入りにくくなってしまいます。

これではオキシトシンが分泌されず、癒し効果は充分に得られません。

そして、人を愛する、信頼する、人のために何かしてあげるなどという気持ちが起こりにくくなります。

現代は核家族や一人暮らしが多くなり、オキシトシンが分泌されにくい社会環境が広がっています。

そのために、人間関係が希薄になり、不眠症やうつなどの心の問題も増えつつあります。

私たちは、このような課題について、もっと気づいていく必要があるといえるのではないでしょうか。

そして、人間関係を密にし、心の安定を得るためにセロトニンやオキシトシンを活発にさせる行動を心がけることが大切といえるでしょう。

現代人に不足しがちなセロトニンを活性化させるには、こちらのような方法も効果的です。

よかったら、ご参考になさってください。

→ セロトニンを活性化させるための方法はこちら